なぜソーラーシェアリング と大地の再生の連携なのか?


ソーラーシェアリングにとって、太陽光発電のみならず、有機農作物の収穫こそが最も重要なゴールです。しかし、ソーラーシェアリングの太陽光発電設備下で農作物を育てる時、必ずしも農作物の生育に最高の土壌環境が初めから備わっているわけではありません。施設によっては、長年の耕作放棄地であったり、開発によって肥沃な土壌が剥ぎ取られている場合もあり、そのような土地で農作物を育てる時には、何より農作物のための土づくりが必要になります。

 

土づくりを考える際に大切な要素としては、土中の窒素リン酸カリや微量ミネラルなどの栄養分、PHや水はけ、微生物環境や土壌の団粒化など様々ありますが、とりわけ、土中の水脈や空気の流れに注目した画期的な環境の再生手法として、「大地の再生」があります。人工的なコンクリートの道路や壁、水路などによって、滞り、詰まっている大地の水脈を改善することで、空気が動き、風が抜け、土中の微生物や植物の根も活性化し、そこには同時に心地よい人の動線や、住みよい地域の住環境も育っていきます。ソーラーシェアリングにとって大地の再生は、鬼に金棒ともいえる視点や技術を提供してくれると考えています。


コモニティースクールVol.1 大地の再生講座を開催


去る8月5日に市民エネルギーちば主催、コモニティースクールVol1として、「大地の再生講座」を開催しました。参加者総勢30名が、座学講義と現場作業で丸一日、熱心に学び作業に汗を流しました。ここではその様子をレポートします。まずは、記録として事前に公開したイベント案内を貼り付けておきます。


コモニティースクール「大地の再生講座」Vol.1

@市民エネルギーちば+ソーラーシェアリングの現場

 

「コモンズ X コミュニティー = コモニティー」
太陽光、水力、風力などの自然エネルギーは勿論、たねからはじまる農作物の生育〜収穫、大地における風や水の流れと循環は、本質的に太陽活動によって支えられています。コモニティスクールは、太陽の恵みを源とする地域流域の風土のコモンズ(=共有財)をトータルに捉え直し、平和的にシェアするコミュニティーを、現実のカタチ(=コモニティー)におとしていく、実践者のための学びの場です。

コモニティスクールVol.1となる今回は、滞っている水脈に手を加えるよって、土壌環境や風通し、植物の生育や住環境を改善させる実践活動として注目されている「大地の再生」がテーマです。水脈の見立てや、実際の溝掘り〜炭などの有機資材の使い方、さらに草と闘わない風に学ぶ草刈り方法など、目からウロコのカリキュラムを経験豊かな3人の講師による座学と作業を通して学んでいきます。

人と自然が織りなす関係性をリアルに捉え直し、新しい思考の回路をつなぐこと、さらに、社会を立て直すクリエイティブな問いを生み出す絶好の機会となることでしょう。暑い夏の一日ですが、ふるって、ご参加ください。

日時:201785日土曜日
 ・9時〜17時 大地の再生講座(座学+作業)
 ・18時〜After Party

集合場所:飯塚區民舘 千葉県匝瑳市飯塚1094 
 駐車場、座学、及び、昼食はこちらです

作業場所:市民エネルギーちば 千葉県匝瑳市飯塚1037-1  
 飯塚區民舘から徒歩2分の距離です 
 作業のため、駐車は不可ですのでご注意ください

内容:
座学
・大地の再生ベーシック編
・風に学ぶ草刈りとは?
・炭素埋設のはたらき
作業
・オフィス周辺の見立て、水脈改善作業、風の草刈り、等
講師の紹介:
押田大助さん:大地再生結いの杜づくり 関東甲信越副支部代表
株式会社中央園芸代表取締役 2014年から矢野智徳主催の大地の再生講座に参加。造園工事や庭づくりにその手法を取り入れ、現在も活動中。
https://ameblo.jp/chuou1/

藤井麻紀子さん大地再生結いの杜づくり 関東甲信越副支部長
山梨県大月市にあるピラミッドリトリートセンターにて、大地の再生講座を主催。水脈のメンテナンスや、風の草刈りをつのり、「風の草刈りしたーい」として、活動中。酵素シスターズ(野草酵素のワークショップ講師)Vision yoga 講師 
https://www.facebook.com/pocaripicari

市川忠義さん:株式会社ジェイ・シー・ティー代表取締役
大地の再生講座に使用する通気緩衝材として使用される大炭、小炭を製造し 自らも講座に参加する中で学んだ風の草刈りを実践し、草と仲良しになっている。 
http://jct-eco.jp/

学費:3000円 座学+実践作業
昼食代:1000円 
After Party500
 
定員 30名(残り17席)
持ち物: ・ノコ鎌、移植ゴテ、ノコギリ、作業中の飲みもの
服装: 作業着(袖・長ズボン)、作業手袋、長靴か足袋、帽子、タオル、雨具
当日は炎天下の作業になると思われます。熱中症対策はご万全に!

お問い合わせ&連絡先: ソーラーチルドレン(荒井紀人)
・メール taiyounochichi@gmail.com 

08056787242

今回は、市民エネルギーちばのオフィス周り中心になりますが、今後、さらに、ソーラーシェアリングの発電現場、地域の古民家や共同施設、みんなの畑などの、水脈改善〜土壌改良作業を行っていく予定です。乞うご期待。

 


講座のトップは押田大助さんのプレゼンから。

イラストと現場の写真を織り交ぜた分かりやすいプレゼンテーションで、普段、見えないので想像することさえ困難な水脈が、かつてはどうだったのか?そして、現代はどのように水脈が詰まって、さらに、どのように改善することが出来るのか?イメージできました。



続いて、市川忠義さんの炭の新たな使い方の地平を開くお話。大地の再生での木炭は、点穴や通気浸透水脈溝における通気緩衝材として使われるとのことで、炭の効用を再認識しました。


代わって藤井真紀子さんのお話「風の草刈り」について。

風に習う草刈りとは何か?

風に何を習うのか?

五感を通じて風を感じるとはどういうことか?

風はいかに植物の根を育てているのか?

草刈りの仕方で、根の張り方が変わる?

 

 


〈画像クリックすると拡大画像が表示されます〉


押田大助さんのブログ:https://ameblo.jp/chuou1/


つづく

オフィス前の通気浸透水脈溝のメンテナンスを実施